第16巻 表紙絵妄想神谷さん、どうしたんですか、 そんなせつなげな顔しちゃて。 似合いませんよ、あはは。 神谷さん、私たちは武士なんです。 鬼なんです。 志のために、命を懸ける存在なんです。 私たちの行く道は、 固く、険しく、危うい。 いつでも命を捨てられる覚悟が なくてはいけません。 そのためには、捨てられる命を いつでも持ってなければいけません。 でもね、生きている時は いつでも楽しくしていたいと 思うんですよ。 笑って、食べて、飲んで。 明るく、ね。 だから、神谷さんも そんな顔するのはおやめなさい。 あなたには笑顔が似合ってますよ。 私たちの誠を貫くために。 たとえ近藤先生を頭に戴く私たちの ある道程が、雪のように冷たく寒い 道だとしても。 雪の間からさえ顔を出す、 この水仙のように。 生きていこうじゃありませんか。 ねぇ。 神谷さん。 |