久遠の空 表紙絵妄想第13巻

第13巻 表紙絵妄想



え?沖田先生ですか?

沖田先生は誠の武士です。
剣の腕前も、心構えも。

巡察をしていて倒幕派の輩を
見つけると、一番に駆けていかれます。
どこかで呼び子が鳴るとすぐです。
私が追いついたときには、もう捕り物が
終わっていることもあるくらいです。

稽古もどの隊より厳しいし。
この前、別の組の人が出稽古に来たんですけど、
「いつもより三割増、辛かった…」って
青い顔して帰っていきましたね。

私のことも、より武士らしくあるために、
時には命が危ないと思わせるほど真剣に
指導してくださいます。
ああ、先日道場で踏みつけられた左肩が
まだ痛いんですよ。

もちろん、局長や鬼副長からも
大変な信頼を得ていらっしゃいます。
なんといっても一番隊組長ですもんね!
ただ、鬼副長は「あいつの甘いモンに目が
ないところ見てもそう思うのか」って
おっしゃってましたけど。

「花は桜木、人は武士」
どちらも散り際の潔いところを指した言葉だと
斎藤先生はおっしゃってましたが、
私には桜の儚くも美しく咲いている様が、
武士の生き様と重ね合わさって見えるのです。

ですから。


花にたとえるなら、沖田先生は桜です。









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