久遠の空 池田屋 de 携帯電話

池田屋 de 携帯電話
〜もし池田屋の頃に携帯があったら



二手に分かれる新選組。
縄手通を探索する土方から、
木屋町通の近藤に連絡が入る。

「かっちゃん、こっちにはまだ見あたらねぇ」
「トシ、ケータイだからってかっちゃんはよせよ」
「いいじゃねぇか、それよりそっちはどうだ」
「ああ、今のところはまだそれらしい人物は
見つからない。これから池田屋に踏み込もうと思ってる」
「わかった、こっちも引き続き捜索する、じゃあな」
「気をつけろよ、トシ」
「あぁ、かっちゃんもな」
「あれー近藤先生、土方さんから電話ですかぁ?
私にも代わってくださいよー」
「総司!この非常時に!」
「いいじゃないですか、もしもし土方さぁ〜ん、
近藤先生は私がお守りしますから心配しないでくださいねー!」
「…総司テメェ」
「沖田先生、何やってるんですか!
もう池田屋に到着しますから気を引き締めてくださいよ!」
「もー神谷さんってば、ちょっと土方さんとお話しただけじゃないですかー」
「…じゃあな、切るぞ」
「あっ、土方さん…切られましたー」
「当たり前ですよ沖田先生…」


そして池田屋に踏み込んだ、近藤以下10名。
「御用改めである!」
「新選組か!」
「谷君、土方副長に連絡を!」
「はい!(プルルルル…)
もしもし、副長ですか?谷です!池田屋です!」
知らせに走るというシーンはなくなり、
携帯で池田屋に不逞浪士ありとの連絡を受けた
土方隊は現場に直行、暑気あたりで屯所固めを
余儀なくされた山南にも即連絡が入った。
会津・桑名の両藩は、戦闘終了後に駆けつけた。
なぜすぐに池田屋にいるとの連絡を入れなかったと
両藩の応援軍に責められたが、土方は一言。


「電波が悪くて、通じなかったようですな」








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